築30年以上は2倍以上に

管理組合が加入しているマンション総合保険の保険料が、2015年10月から大幅にアップしました。この値上げを見越して、直前に買い替えた管理組合も相当あるのではないでしょうか。

とくに築年数の長いマンションの保険料は上げ幅が大きく、築30年以上では2倍以上に値上げした大手保険会社もあります。その結果、新しいマンションと古いマンションとで保険料に大きな格差が生まれています。高経年マンションの管理組合にとっては頭の痛い問題です。

築年数の長いマンションの保険料がどんどんアップしているのは、古いマンションはメンテナンス不良で漏水などの事故が多発し、保険料よりも支払いのほうが高額になるケースが多いためです。

高経年マンションの中にも管理状況が良いところは少なくありません。しかし、保険会社にはそれを見極める手立てがないため、一律に保険料を値上げせざるを得ません。新規契約を拒否するケースもあり、築年数だけによる判断に管理組合から不満の声が出ていました。

そんな高経年マンション管理組合の救いになるかもしれないのが、2015年7月に登場した「マンションドクター火災保険」という日新火災海上保険の新商品です。

この保険は、日本マンション管理士会連合会が一定の資格を有するマンション管理士を派遣し、マンションの管理状況を診断したうえ、その診断結果が良ければ保険料が割り引かれるという仕組みです。築年数だけで判断せず、管理状況の良しあしを保険料に反映させようというわけです。

診断は無料、アドバイスも

派遣されたマンション管理士は、マンションの管理運営状況や修繕計画状況、法定点検・修繕工事、防犯対策など14項目について診断し、評価します。診断は無料で、診断結果のほか、アドバイスも管理組合に提供されます。

評価で高得点を取ると、それに応じて保険料の割り引きが受けられます。築年数が長い割に診断結果が良いと、割引率は大きくなります。

もっとも、割引は管理状況が良いことが条件なので、しっかり管理していないと大きな割引は期待できません。それでも、無料で診断が受けられるので、保険料アップに悩む管理組合は受けてみる価値は十分ありそうですね。

(写真は、日本マンション管理士会連合会の「マンション管理適正化診断サービス」の案内書)

 

Author Profile

森 健一
マンション管理士・特定行政書士 森健一事務所代表
元読売新聞社記者。同社でニューヨーク駐在、英字新聞部主任、企画開発部次長、広告局部長などを務める。
定年退職後、マンション管理士、特定行政書士事務所を開業。
千葉県マンション管理士会 理事、東葛支部長