このところ、「大規模集工事の周期を15年にしてはどうか」という提案が出始めています。

マンションは修繕や改良をきちんとすれば「100年住み続けられる」と言われるようになり、マンション長寿命化との絡みでも注目を集めているようです。

今年(2015年)、一般社団法人マンション大規模修繕協議会が「15年周期プロジェクト」を提案しました。

さらに、全国マンション管理組合連合会の山本育三会長が発足させた「100年マンションプロジェクト」は最近、大規模修繕の周期を18年に延長するための工事の仕様案を作成しました。

こうした動きの背景として、東日本大震災以降、建設資材が高騰し、建設現場の人手不足、とくに大規模修繕では欠かすことができない仮設工事の職人不足が深刻になっている現状があるように思われます。

資材高騰のため、予定していた資金では大規模修繕工事ができずに困っているマンション管理組合も少なくありません。

かつて、大規模修繕工事は「10年周期」と言われていました。それが、ある時期から「12年周期」が定着してきました。国土交通省が平成20年に公表した「長期修繕計画作成ガイドライン」でも、大規模修繕の周期を12年に設定しています。

もっとも、単に資金が足りないからと12年周期を15年周期に先送りするのは考えものです。

周期を延ばすには、詳細な建物診断や綿密な修繕計画、周期を延ばすのに対応した仕様や施工レベル、さらにアフター点検などが前提となります。

たとえば外壁の塗装なら、15年周期に見合った、より耐久性が高い材料を選ぶことが必要です。

また、タイル張りの外壁は、外壁改修から10年を経て最初に行う特殊建築物定期調査(3年ごと)の際に全面打検が義務付けられています。この調査は、3年以内に大規模修繕工事があれば免除されますが、大規模修繕工事の周期が延びれば、この3年の猶予期間が切れてしまう可能性があります。

特殊建築物定期調査の時期は自治体ごとに決められていますので、注意する必要があります。

いずれにしても、大規模修繕工事の周期を延ばすには様々な条件を考慮しなければなりませんので、専門家に相談することをお勧めします。

 

 

 

Author Profile

森 健一
マンション管理士・特定行政書士 森健一事務所代表
元読売新聞社記者。同社でニューヨーク駐在、英字新聞部主任、企画開発部次長、広告局部長などを務める。
定年退職後、マンション管理士、特定行政書士事務所を開業。
千葉県マンション管理士会 理事、東葛支部長